シェア会番外編「告知」レポート

3/2㊏シェア会番外編が行われました。テーマは「告知」です。
お子さんに障害特性があることを「伝えること=告知」をテーマに、とても有意義な時間を持つことができました。
ご都合で参加できなかった方や、ご興味のある方のために可能な範囲でレポートします!

いきさつ

以前のココのシェア会の中で、お子さんに発達の特性があることをどう伝えるか、という話題になりました。その場では深堀りすることができなかったのですが、大事なことなのでいつかこのテーマでシェア会したいね!という話になりました。

「告知」というテーマはなかなか繊細で、深くて、広いです。
ちょっと考えただけで、どのタイミングで?どのような方法で?本人だけに伝える?きょうだい児にも?クラスのお友達にも?そもそも伝えたほうがいいの?伝えない方がいいの?…次々と分からないことが出てきます。

さてどのように進めよう。。。?と考えていたところ、ピンと浮かんだのが、「当事者研究やってみようの会」でした。

「当事者研究やってみようの会」というのは、市内で月イチで開催されている会です。私も時々参加しているのですが、ファシリテーターさんが作る雰囲気がとても居心地がよいのです。

思い思いに「告知」を語る

というわけで二人のファシリテーターさんによるシェア会が始まりました。

まず全員が順番に、今の体調と気分を言っていきました。
「疲れていて眠いです」「楽しみな気分です」という感じにひと言ふた言話すだけなのですが、これだけで緊張がほぐれていきました。

参加者の皆さんが「告知」をそれぞれに語ってくれました。ほんの、ほんの一部ですが可能な範囲でお伝えします。

  • 療育手帳の更新に行くときに、「どこに行くの?」「何をしに行くの?」と聞かれる。告知のタイミングなのかと思う。
  • こどもには、「君には特性がある」「君がどうしたら生きやすくなるか一緒に考えよう」と言っている。
  • すでに自分の特性を理解している。発達検査を受けた時、心理士さんを交えて3人で話し合った。
  • 「ぼくは自閉症なの?」「ぼくはサヴァン症候群?」と聞かれたことがある。
  • 中学生の頃は周りが受験一色になりピリピリした雰囲気だった。多感な時期でもあり、今じゃないと感じた。
  • 悪いことではないこと、良い特徴を伝えた。
  • 通っていた機関の先生が告知の具体的な方法をプリントにしてくれた。
  • 知的かも?と感じたが塾に通わせ勉強を頑張らせた。知的障害の診断がつくことを避けている自分に気づいた。
  • 告知することで、「ぼくはできない子だ」と受け止めてしまうのではないか
  • 療育の先生に相談した
  • 手帳を使う時が伝えるいい機会だと感じている。子どもに分かるように話すようにしている。
  • 学級会で保護者の皆さんに「こういう子もいるんだよ、ってお子さんに言ってくれたら助かります」と伝えた。
  • 告知といっても、ただ伝えるのは宣告。対処方法も一緒に伝えることが大事だと教わった。

みなさんの話を聞いて

参加してくれた皆さんは、それぞれにお子さんの年齢も特性もご家庭の環境もバラバラでした。アドバイスをしっかりもらって告知した方もいれば、悩んでいるけれど一歩踏み出せていない方も。

お母さん達はお子さん第一で話をされてましたが、忘れてはいけないのは、まずはお母さんがお子さんの障害を告げられ、大きなショックを受けたはずです。それを受容するのに長年かかるものなのですが、その最中にお子さんへの告知がやってくるのですね。

告知をすることは子どもの応援団を作ることだ、という意見もあり、いい事言うなあ!と前向きな気持ちになりましたが、一方で告知の段階にたどり着くことは簡単ではないというのも現実。お母さんがお子さんの障害受容で苦しんでいる最中だったり、お母さんは告知しようと考えても、ご家族がお子さんの障害を認めなかったり。

ファシリテーターさんが安心の雰囲気を作ってくれたおかげで、長年抱えてきた思いをドッと話してくれた方もいました。話していただけたことを嬉しく思いました。

告知のノウハウや心構えを話し合うことも大切ですが、そのためにはお母さんが一人で抱えているたくさんの悩みを少しずつひも解いていく作業が必要ですね。どちらか一方だけでは、前に進むことが難しいかもしれません。

「子どもに勉強や習い事など無理をさせてしまった」と後悔交じりに話すお母さんに、先輩お母さんが「うちもそうよ~、うちなんかもっとやったのよ~!」と話しておられました。二人で笑顔で話す様子を見て、横のつながりの心強さを感じたのでした。

参加者さんの感想

ほんの一部ですがご紹介です

  • いつものシェア会とは違って重い感じのテーマでしたが、いろいろな年代の方の話がとても勉強になりました
  • 貴重な時間でした
  • 話してスッキリしました
  • 子育ての先輩の皆さんのお話を聞いて、皆さんの心の広さと母としての強さを感じました
  • とても、とても有意義な時間でした
  • 家族に感謝して明日からも頑張ります
  • 現実を受け止めて、前に進めるように頑張ります
  • そろそろ検査を受けなきゃと覚悟ができました

告知の会とはちょっと関係ありませんが、「久しぶりにちゃんと湯飲みやカップでお茶をいただき美味しかったです」という感想もありました。皆さんの大変な日々が目に浮かびました。シェア会、勉強会も必要だけど、お母さん達を全力で癒すイベントもやらなきゃ!と思ったのでした。