勉強会レポート「福祉サービスを知ろう」vol.2 2023/11/30
vol.2 テーマは「相談のしかた」
1か月近く経ってしまいましたが、ミニ勉強会「福祉サービスを知ろう」を振り返りたいと思います。
第1回がとてもいい勉強会だったので、その場で「第2弾をお願いします!」とオファーして今回の開催となりました。テーマの「相談のしかた」は、第1回を受けて設定したテーマです。
前回、福祉サービスを利用するためにはまず「相談」と教わりましたが、、、
相談と言っても、どこの?どなたに?どんなふうに?
私たちはそれを知らない!わからない!💦
とあらためて気づいたのでした。
講師は第1回に引き続き、非営利活動法人つどいの理事長、藤野さん。今回も分かりやすい資料を準備していただいて、さらに最新版の支援ガイドブック「コスモス」Ver.6を全員分準備していただきました。
内容
前回の勉強会で、福祉制度と福祉サービスについて概要を教わりました。
今回は福祉制度を利用する上で根底になる「相談」について、その仕組みがどうなっているのかをお話していただきました。
福祉サービスを”受ける側”、”お世話になっている側”である私たち親子。
「面談」や「相談」というと、相手に気を使ってしまうもの。聞いてみたいことがあってもためらってしまう…。そもそも福祉制度について素人なので、なにをどう相談すればいいのか分からない。そんな感じかもしれません。
今回の勉強会で、その考え方が少し変わったかも。
相談先について
どこに相談すればいいのか…
相談先は、実はたくさんあるということです。
資料より一部抜粋
- 市町村の福祉課
- 相談支援事業所
- 子育て支援センターなどなど
子育て支援センターとは、夷隅地域では児童館やこども園と併設されていて、主に就学前の子どもを対象にしているようです。またこの地域の相談先として、東上総教育事務所や東上総児童相談所も含まれます。
相談先はたくさんありますが、どうしても地域性があるということです。身近な相談場所では対応しきれなかったときにちょっと専門の場所に繋いでもらう、と言った場合、都市部はどちらも生活圏内にあって便利かもしれませんが、田舎では結局遠くまで出向かないといけない、ということがあります。
センター機能(専門性があり、中核機能を持つ)を持つ相談先としては
資料より一部抜粋
- 児童発達支援センター
- 基幹相談支援センター
- 発達障害者支援センター
- 児童家庭支援センター
- 中核地域生活支援センターなどなど
名前が似ていて分かりにくいですね💦
この地域(千葉県夷隅圏域)でいうと…
児童発達支援センター…「いすみ・ぷれも」です。
基幹相談支援センター…今はまだないそうですが、R6年度からスタートとなるそうです。各市町村または広域に設置されるそうです。
発達障害者支援センター…CASと呼ばれています。建物は千葉市にありますが、この地域も対象エリアです。
児童家庭支援センター…「子山こども家庭支援センター」です。茂原市に「こどものひなた」、一宮町に「児童家庭支援センターいちのみや」もあります。
中核地域生活支援センター…「夷隅ひなた」です。
子ども家庭庁が所轄する「こども家庭センター」が「全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う」機関として、今後各市町村に配置されるそうです。
やっぱり名前が似すぎてて覚えられません笑
保護者はまず身近にどんなところがあるか把握していればいい、ということなんでしょうかね。
相談支援について
相談支援とは…
障害者やその家族が……(中略)……地域の中でその人らしい暮らしを……(中略)……あらゆる相談を受け止め……(中略)……本人を中心に、家族、支援者、行政等とネットワークを構築しながら行う支援です。
資料より一部抜粋
↑相談を受ける側(相談支援を行う支援者さん)向けの資料だそうです。私たち保護者が一語一句理解する必要はないと思ったのでかなり省略しました。
”相談を受ける側”の支援者さんは、
あらゆる相談を受け止め、「望んでいることは何か」、「何を支援すればよいか」、「支援をするときに地域の社会資源はどんな状況か」など様々な視点をもって…
資料より一部抜粋
このような心構えで相談を受けることになっているそうです(資料には相当理想高いことが書かれています)。
私たち保護者は、
”支援してもらう側”という負い目や遠慮をそこまで感じずに相談していいのかな。
知りたいことは遠慮なく聞いてみたほうがいい。
予備知識がなく、こちらから提案することができなくても、情報提供やアドバイスを求めてもいい。
例えば放デイを使いたいとき、一覧をいただいたり事業所への問い合わせをお願いしてもいいのかな。
困り感がまとまらず、うまく言葉にできなくても一緒に考えてもらっていいのかな。
そんなふうに考えることができました。
福祉サービスを利用するまでの流れ
支援ガイドブック「コスモス」は、夷隅地区自立支援協議会児童支援部会が作成したものです。夷隅圏域の児童及び保護者向けの福祉サービスの情報がまとまっています。内容に変更があるたびに最新版に更新が行われています。
参加者さんからの質問
この勉強会にかかわる内容も、そうでないものも、たくさんの質問に答えていただきました。可能な範囲になりますがご紹介します。
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自立支援協議会で話し合われた内容は一般公開しないのですか?
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自立支援協議会とは、全国の市町村にある制度。地域課題を解決するため部会に分かれて協議している。児童支援部会があり、福祉サービス事業所や行政機関、医療機関、教育関係機関、相談支援機関、児童福祉施設等、当事者団体(つながるココもメンバーに入れていただいています)で組織されている。
協議内容を公開してはいけないわけではない。その機会がないのかも。協議会の存在が地域住民にあまり知られていないのも実情。
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引越しをする際に気を付けることはありますか?
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近場の場合は利用している放デイなどのサービスはそのままでいいが、遠方へ引っ越す場合は住民票が変わり、受給者証も変わる。通所先も変わるので引継ぎが必要だが、たいていは相談員さんどうしで行われる。距離にもよるが、最初相談員さんが転居先の事業所に同席してくれる場合もある。相談員さんは変更してもいいし、そのまま引き継いでもよい。遠方であってもモニタリングは電話やリモートも可能。
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ペアレントトレーニングを受けてみたい
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様々なところで行われている。放デイ等の事業所で実施する流れになっているので、今後この地域の事業所でもスタートすると聞いているところもあるし、すでに実施しているところもある。
親として子どもへのかかわり方をトレーニングする。生活の中でどう接すればいいのか分からない場面も多いと思うので、知識として知っていることは大事だと思う。暮らしの中で教わった通りにできるかどうかは…別ですよ(笑)。
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ちょっとした発達特性に関する質問をしたいとき、どこにすればいいか?コールセンターのようなものはあるか?ネット検索しても、我が子にあてはまる回答を得られない。
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相談先はあるが、予約する、待つ、、、ということもある。どこに相談するか、というより、誰に相談するか。お子さんのことを知っている方がいいだろう。幼いころは通っている事業所の方に聞いたりできるが、年齢によってはもう事業所を利用していなかったり、進学で親元を離れていたりする。思春期にもなれば親子関係がむずかしく、保護者と支援者というよりも、本人と支援者との関係が必要になってくるだろう。
勉強会を終えて
「これって本来保護者が勉強する内容じゃないんですよ」
講師の方のコトバです。
相談支援の仕組みを大枠で教わった私たち。前回もそうでしたが、保護者が福祉について専門家のように勉強している状況に複雑な思いを感じなかったわけではないのです。
それでも勉強会が必要なのは、全く仕組みを知らなければ、すごく大事と言われる「相談」を「正しく」できないから。
参加者のおひとりは、「とても励まされました」と仰いました。
枝葉は知らされていても、幹をよく知らないままでは不安です。幹の部分が分かれば、自信をもって今のサービスを利用できるんだと思います。
講師の方も支援者のおひとり。「自分はできているかと言われると…」と本音をつぶやきながら、お話していただきました。保護者さんも達も支援者さん達も、状況はそれぞれ違うし知識も経験も違う中、試行錯誤で子どもに向き合っているのでしょう。現状は理想に追いついていないのかもしれませんが、お互いに理想形を知ったうえでそこに向かっていくのは大切なことだ、と思いました。
「相談、面談では言いたいことがあれは言う必要がある」「家族にしか言えないことがある」「遠慮して言わなければ、ニーズがないと判断されるって悲しいから」
講師の方は何度も仰っていました。
勉強会に参加した皆さんは、今福祉サービスを利用している場合も、これからの場合も、私たちができることをいくつか思い浮かべることができたのではないでしょうか?
終わってずいぶん時間がたってしまいましたが、あの場で聞いたお話が身になって、新たな発見があったり考え方が変わったりしているな、と感じています。
これは私だけでなく、参加者それぞれが感じているのだと思います。なぜなら、実は次につながる動きが出ています。すごい場だったんですね!
支援ガイドブック「コスモス」
ダウンロードできます。印刷して手元に持っておくことをお勧めします。
イメージはこんな感じです⇩